Web検索


Twitter

ネットで読める松浦の記事

My Photo

« 宣伝:8/18に新著「のりもの進化論」(太田出版)が発売されます | Main | 自転車2.0/3.0を思いついた背景 »

2012.08.19

「自転車2.0」と「自転車3.0」



 新著「のりもの進化論」が発売されました。一部の方にはもうお手にとって頂けましたことと思います。

 残念ながら私の本はいつも部数が少ないのでなかなか実書店でぱっと見付けることがむずかしい。しかも、すぱっと既存の分類に収まる話を書いているわけではないので、本屋のどの棚に行けばあるのか迷うこともあるだろう。そういう方はネット通販が便利だ。

 今回の主題。「のりもの進化論」では「自転車2.0」と「自転車3.0」という新しい概念を提示したが、それってどんなものなのか。

 本文中は以下のように定義した。

  • 自転車2.0:以下の特徴を持つ人力の乗り物
    • 徹底した走行抵抗の軽減
    • 可能な限りの軽量化
    • 洗練された制御系を持つ電動アシスト
  • 自転車3.0:自転車2.0をソーシャル化したもの

 既存の電動アシスト自転車に似てはいるが、自転車形状にはこだわっていない。極端な話、電動ローラースケートでもいいし、足漕ぎボートがベースでもいい。また、基本的に現在の電動アシスト自転車にかかっている出力規制は無視している。「洗練された制御系」というのは、その時々の状況に合わせて最適なアシストを提供するという意味だ。本体附属のセンサーで運転者の体温や脈拍に応じて最適なアシスト、場合によってはオートマによる最適なギア比提供を行うことも考え得る。
 自転車3.0のソーシャル化というのは、ネットによって提供される様々な情報を駆使して、運転者に最適な移動を提供するという意味だ。カーナビのようなナビゲーションを手始めに、雨を避けたり、向かい風を受けにくい道を選んで走ったり、坂の多い経路、少ない経路を選べたり、暑い日は日陰になる区間が長い経路を示したり、ということだ。

 そんな乗り物が、ありうるのか。ありうるとしたらどんなものになるか、そのような乗り物を社会が受け入れるには社会インフラの側はどのように変化する必要があるか、法制度はどうあるべきか、といったことを本書では考察してみた。

 キーワードとして「アリストテレス号」と「ニュートン号」という仮想の乗り物を想定し、考えを進めている。

 この考え方が正しいのかどうか、私としては多くの人に考えてもらいたいと思っている。


« 宣伝:8/18に新著「のりもの進化論」(太田出版)が発売されます | Main | 自転車2.0/3.0を思いついた背景 »

文化・芸術」カテゴリの記事

メカニズム」カテゴリの記事

Comments

自転車2.0や3.0の要件に「全天候性」(つまり雨天でも濡れないで走れる)という
項目が無いのはなぜでしょうか?スポーツライダーじゃなく日常的に自転車に乗る
事を考えると、自転車が使われない最大の理由は「雨が降ると濡れるから」なので
はないでしょうか?

 読んでもらえると分かると思いますが、そこらへんは、あまり強く規定せずにユーザーが決めていけばいい、という発想です。最初からこうだ、と決めつけずに試行錯誤の中から考えていけばいいということですね。

 個人的には雨天と風に強いベロモービルの電動アシスト化が一押しなのですが、それは松浦個人の意見ということです。

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「自転車2.0」と「自転車3.0」:

« 宣伝:8/18に新著「のりもの進化論」(太田出版)が発売されます | Main | 自転車2.0/3.0を思いついた背景 »