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カテゴリー「サイエンス」の98件の記事

2012.08.16

宣伝:小惑星探査機「はやぶさ」大図鑑、発売中

 久しぶりの更新ですが、宣伝です。8月1日に偕成社から「小惑星探査機「はやぶさ」大図鑑」が発売されました。


Hayabusadaizukan

 私は解説の文章を担当しています。

 小学生中学年向けということでしたが、とにかく大変な仕事でした。専門用語は使えない上に文字数はぎりぎりまで制限されています。それこそ「スイングバイを100文字で説明して下さい」というような発注が山のように来て、七転八倒しました。その甲斐があったかどうかは、本を手にとって確認してもらえればと思います。絵を主体とした図鑑ですから、主役はなんといっても池下章裕さんの細密なイラストレーションでしょう。大人であっても、イラストを見るだけでも楽しめるでしょう。

 願わくばこの本が次の世代を担う子供たちに届きますように。

 今日から少しずつ更新を再開したいと思います。

2011.12.16

川口コメントに追加あり

 はやぶさページに掲載された川口淳一郎教授のメッセージに追記が加筆された。

はやぶさ後継機に関する予算の情況について

 たくさんの反響をいただきました。
「草の根的であっても、それぞれの方法であってでも、政府・与党にメッセージを出していただければと思うものです」について具体的な方法をお尋ねいただいています。
 電話、FAX は業務に影響を与えかねないため、送り先を検索のうえ、手紙・はがきで首相・閣僚など政府・与党関係先にメッセージを送っていただくとよいと思います。

 送り先としては、やはり野田佳彦首相のところが最優先ということになるだろう。

野田よしひこ船橋事務所
〒274-0077
船橋市薬円台6-6-8-202

東京の事務所は
〒100-8981
千代田区永田町2-2-1-821

 電話・ファクシミリは業務に影響を与える可能性があるが、質問受け付け用のメールアドレスは、アドレスを分けているようなので、こちらは嘆願を送るのに使用しても大丈夫だと思う。 post@nodayoshi.gr.jp


 川口先生は、講演で以下の通り話しているとのことだ。

——「こうしたメッセージを載せるということは、ある種のリスクを伴うものと理解している。国からの交付金で事業を実施する組織が、国民に向かって直接訴えかけるのは“反則技”かもしれない。“ダメ”と言われたら消すことになるので、みなさん早く読んでください」

 虎穴に入らずんば虎児を得ず——必要ならば積極的にリスクを取る精神もまた、初代はやぶさが体現していたものである。

2011.12.13

川口淳一郎プロマネのコメントが出た


 12月12日、はやぶさのプロジェクト・マネージャーを務めた川口淳一郎の文章が公開されました。必読です。

はやぶさ後継機に関する予算の情況について

はやぶさ初代が示した最大の成果は、国民と世界に対して、我々は単なる製造の国だったのではなく、創造できる国だという自信と希望を具体的に呈示したことだと思う。
自信や希望で、産業が栄え、飯が食えるのか、という議論がある。しかし、はやぶさで刺激を受けた中高生が社会に出るのはもうまもなくのこと。けっして宇宙だけを指しているのではない。これまで閉塞して未来しか見ることができなかった彼らの一部であっても、新たな科学技術で、エネルギー、環境をはじめ広範な領域で、インスピレーションを発揮し、イノベーション(変革)を目指して取り組む世代が出現することが、我が国の未来をどれほど牽引することになるのかに注目すべきである。こうした人材をとぎれることなく、持続的に育成されていかなくてはならない。
震災の復興が叫ばれている、その通りだ。即効的な経済対策にむすびつかない予算は削減されがちである。しかし、耐え忍んで閉塞をうち破れるわけではない。
なでしこジャパンのワールドカップでの優勝、それは耐え忍んだから勝てたのか?
そうではない。それは、やれるという自信が彼女らにあったからだ。震災からの復興を目指す方々に示すべき、もっとも大きな励ましは、この国が創造できる能力がある国だという自信と希望なはずなのだ。


はやぶさ後継機(はやぶさ-2)を進めることに政府・与党の理解を期待したい。 この文章をお読みになった方々から、草の根的であっても、それぞれの方法であってでも、政府・与党にメッセージを出していただければと思うものです。

 12月11日に小林伸光さんとロフトチャンネルで行った、はやぶさ2の現状に関する解説は、こちらで見ることができます。
緊急トーク番組「はやぶさ2は今」松浦晋也+小林伸光

 できることを、諦めることなく。

2011.12.11

【宣伝】本日12月11日(日曜日)午後8時から、はやぶさ2についての解説をUstreamでストリーミングします

 本日12月11日日曜日午後8時から、UStreamのロフトチャンネルで、はやぶさ2の置かれている状況について解説を行います。聴き手は、イラストレーターの小林伸光さん。時間的は1時間以上、1時間半から2時間を考えています。はやぶさ2を知らない人でも、理解できるように事の初めから説明する予定です。

ロフトチャンネル(Ustream:http://www.ustream.tv/channel/loftch)

 取材も進みましたので、もう少し詳しい話ができると思います。放送中はTwitterは見ますので、質問も歓迎します。
 ハッシュタグは、#hayabusa2 とします。

 どなたか、Twitterでtsudaって、Togetterでまとめてくれるととてもうれしいです。

2010.10.08

採取できた微粒子の写真が公開された

 一昨日の記者ブリーフィングで「一両日中に公開する」とされていた、ヘラにによって採取された1ミクロンオーダーのダストの写真がJAXAより公開された。小惑星探査機はやぶさ・帰還カプセル、サンプル室内部の壁面を、テフロン製の特製ヘラでこすって得たものである。

Dust
(クリックで拡大する Photo by JAXA)

 赤丸が付いた部分が明らかに金属ではないダストである。

 JAXAによる説明は以下の通り。

A1001

 これを分析するのかと思うと、気が遠くなりそうだが、確かに上野先生の、「正直、大きな粒子をみていた時は悲観的な雰囲気もあったんだけれど、可能性は広がったなと。確率的にチャンスは広がったということです」という言葉が実感できる。このダストのどれかは、太陽系が生成した時に一緒にできたものなのかも知れないのだ。

 

2010.10.06

はやぶさサンプル回収;10月6日午後5時半からの記者会見

 読売新聞の報道は勇み足だった模様。ただし、1ミクロン程度の小さな粒子は100個程度電子顕微鏡で確認され、「可能性は広がった」と。

Ueno
 会見後のぶら下がり取材に答える上野副グループ長

2010年10月6日午後5時半からの記者会見

出席者:上野宗孝JAXA/ISASミッション機器系グループ副グループ長

広報:
一部報道もされたので早くお知らせするために急遽ブリーフィングを開くことにした。


上野
 前回のブリーフィングで電子顕微鏡での観察をするとお伝えしたが、それが実行できた。

 先週後半から、サンプルキャッチャーA室の壁面をへらでぬぐい取るようにこすって、そのまま電子顕微鏡で観察している。電子顕微鏡でしか見えないサイズの微粒子が見えた。
 ヘラの写真を出しての説明。ヘラの先の部分の長さが6mmぐらい、幅が3mm強。
 現在電子顕微鏡の画像を解析しているところ、画像の提供は今日ぎりぎり間に合わなかった。一両日中に画像を準備して提供する。作業自身は淡々と続いている。

Photo_3
 新規に制作したテフロン製のヘラ。先端の大きさは3mm×6mm。写真提供:JAXA

Photo_2
 操作用のロッドの先にヘラをつけたところ。この状態でサンプル室の壁面をこすって微粒子を採取し、電子顕微鏡で観察した。写真提供:JAXA


 ここから質疑応答
朝日新聞:電子顕微鏡でみてどんなことがいえるのか。
上野:電子顕微鏡では光学顕微鏡に比べると小さな1ミクロン程度のものも見える。おおむね100程度の粒子が見えている。
 現在、形状や大きさを確認している。小さいので形状は確認づらい。最終的には初期分析の結果を見て判断せざるを得ないと、我々としても考えている。

読売新聞:今、作業を行っているのはヘラ1つ分か。
上野:そうだ。結構時間のかかる作業である。ヘラは小さいが、電子顕微鏡の視野もまた狭い。
現在ヘラでぬぐい取った範囲は、1/10ぐらい。この作業を10回ぐらい繰り返せば捌けるだろう。ただし将来の進んだ採取技術のために全部をこすることはしないと思う。
読売新聞:電子線を当てると、元素の組成もわかるはずだが、100個のうちどれほどが初期分析にかけるに値するかはわかったか。
上野:元素構成だけで地上のものではないというのはかなりむずかしいと思う。これは金属片だから違うよというぐらいはわかる。蛍光X線だけでは同位体比や結晶構造はわからないので、初期分析をしないとなんともいえないだろう。今回みている粒子はほとんどが光学顕微鏡では、見えないサイズ。量的に分析は可能なのだが、光学顕微鏡で見えないものをどうやって分析チームに受け渡すかは今後考えないといけない。

日本経済新聞:一ミクロンサイズでもサイエンス的な意味はあるのか。
上野:同位対比はわかるので、どこ由来かは確認できる。どうやってできたかまで

NHK:これまでの光学顕微鏡と異なる特徴のものが見つかっていると報道されているが。
上野:正直言うと、顕微鏡写真の外観だけは分からないなと感じている。今までも「地球由来じゃないの」という粒子があったわけだが、外観だけでは分からないというのが正直な感想である。明らかに金属片のようなものは見た目でわかるが、まったく判別できない領域(大きさ)のものを扱っている、まあそんな感じです。

日経サイエンス:初期分析にかかるのは12月という予定は変わりないか。
上野:先週末から今回のヘラをつかっての採取をやっているが、一サイクル一週間はかかっている。今月末ぐらいからB室にいきたいと思っている。Bの状態が見えてきたところで、総量の15%ぐらいを初期分析に回るということになっている。全部スプリング8で分析するというわけではなく、いろいろな手法を使う。

毎日新聞:100粒ほどのなかに、明らかに地球由来だといえるものはいくつぐらいか。
上野:現在全部をみているわけではないので、もう数日待ってもらえれば。

共同通信:100個ぐらい見えているというのは、一ヘラ分ということか。写真は撮っているのか。あさって、名古屋の惑星科学会に間に合わせるのか。
上野:一ヘラ分です。写真は撮っているが、写真の調整が必要なので。
共同通信:あまり贅沢は言わないので、見えていれば十分なんですけど。

ニッポン放送:今回の状況は、地球外物質が見つかる可能性が高まったのか。喜んでいいんでしょうか。喜ぶのはまだはやい、とか。
上野:まだなんともいえないです。小さい粒子がいっぱいあることが分かったので、チャンスは広がったとはいえると思う。

産経新聞:これまでに見つかった粒がいくつぐらいか。
上野:光学顕微鏡で見て、石英の針で拾ったのは60粒ぐらい。これに加えて100ぐらいが増えた。1ミクロン以下のものがかなり含まれている。
産経新聞:初期分析に回す候補は絞られているのか。
上野:まだです。

不明:15%というのはA室のサンプルからということか。
上野:全体の15%。Bに入っている量が推定できた時点で初期分析に回すことになる。
不明:この数は予想に比べて多いのか少ないのか。
上野:こんなものかなあと思う。B室はもっとあるといいなと思っている。

毎日新聞:光学顕微鏡で拾った60粒ほどの中で、明らかに地球由来と思えるものはどの程度あるのか。
上野:はっきりはじけるものはあまりないなあ、というのが私たちの感想だ。

NHK:スプリング8の分析以外にどんな分析をするのか。
上野:粒子をスライスして顕微鏡でみると結晶構造が見えてくる。同位対比がわかると生成時の温度環境で分かる。また破壊的分析では蒸発させてガスを分析するということもできる。

不明:B室でも同じことをやるのか。
上野:そうだ、大きな粒子があったらその回収を行う。次にヘラで小さな粒子をすくう。ヘラを電子顕微鏡で見るのは当初からの予定ではなかった。小さな粒子をみるために考えた手法。

不明:サンプル分析の戦略は、B室の概要が分かってからか。
上野:そうだ。小さな粒子をどうやって渡すかは、検討しなくてはならない。

不明:初期分析に回す線引きはどこで行うのか。
上野:とりあえず数があるので、それぞれの分析研究者に配布はできる。

フジテレビ:スプリング8に回す時期と、結果がいつごろになるかは分かるか。
上野:スプリング8の試験予約を確認しなくてはならないが、いったん試験が始まれば比較的早く結果がでると思う。

 ぶら下がり取材にて。

記者:初期に見つかった大きな粒には明らかに地球由来のものがあったけれども、今回判別がつかない小さな粒がぐっと増えたということか。
上野:まあそうですね。正直、大きな粒子をみていた時は悲観的な雰囲気もあったんだけれど、可能性は広がったなと。確率的にチャンスは広がったということです。

2010.10.02

吉川リーダーからパブリックコメントのお願いが届いた

 1ヶ月休んだので、そろそろ再開するかと思っていたら、はやぶさ2の吉川真チームリーダーから下記のメールが届いた。
 私の意見は今晩にでも書くとして、許可をもらったので以下にとり急ぎ掲載する。予算要求に載ったものの、はやぶさ2に向けて、まだまだがんばらねばならない状況は続いている。

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「はやぶさ2」のパブリックコメントについての対応のお願い

すでにご承知のことかと思いますが、「元気な日本復活特別枠」要望についてのパブ
リックコメントの募集が始まっています。「はやぶさ2」もこの特別枠で提案されて
いますので、このパブリックコメントが非常に重要です。
是非、いろいろな立場の多くの方からご支援のコメントをいただきたいと思います。
このご連絡を差し上げている皆さんには、是非、「はやぶさ2」を支援していただく
コメントを書いていただきたいですし、ご家族の方、お知り合いの方にもご連絡いた
だけますと幸いです。
「はやぶさ2」としては最後のチャンスとなりますので、よろしくお願いいたします。

吉川 真(JAXA はやぶさ2プリプロジェクトチームリーダー)

 ===

※パブリックコメントについて情報

 ■トップページ:http://seisakucontest.kantei.go.jp/

 ■はやぶさ2に関連するページ

  ・トップページからの移動の仕方
     分野別:新成長戦略(デフレ脱却・経済成長)
      ↓
     担当府省:文部科学省
      ↓
     事業名:1908 我が国の強み・特色を活かした日本発「人材・技術」の世界展開
         http://seisakucontest.kantei.go.jp/project/detail.php?t=1908 ←直接のURL

  ・我が国の宇宙技術の世界展開(資料)
    http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2010/09/22/1297943_01.pdf

  ・JAXAのWebから:http://www.jaxa.jp/info_public_j.html

 ■応募の締めきり:2010年10月19日(火)17時まで

   Webから意見を表明するには、まずユーザー登録が必要です。
    https://seisakucontest.kantei.go.jp/login/user.php

 ■応募の仕方

  ・Web上のフォームから:
     http://seisakucontest.kantei.go.jp/project/detail.php?t=1908

  ・FAX、郵送の場合:
    用紙(http://seisakucontest.kantei.go.jp/pdf/fax_form.pdf)に書き込む
    送り先:
     FAX : 03-3592-2301 内閣官房副長官補室(政策コンテスト担当)あて
     郵便:〒100-8968 東京都千代田区永田町1−6−1
              内閣官房副長官補室(政策コンテスト担当)あて
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2010.08.12

惑星科学者たちは何を考えているのか、資料紹介

 本日は、日本の惑星科学者は、太陽系探査についてどのように考えているかの資料を列挙する。

 まず、基本となる、日本惑星科学会の将来計画委員会報告書(1996年6月)。

 これが惑星探査の推進に関する会長談話(2010年8月9日)に関係してくる。2010年8月現在、日本惑星科学会の公式見解は、この報告書に基づく。

 ついで宇宙開発委員会・宇宙科学に関する懇談会報告(2003年6月)。


 2003年10月のJAXA発足を控えて、宇宙科学は新組織においてどうあるべきかを検討したもの。

 そして、JAXA月惑星探査推進チーム・太陽系探査ロードマップ検討小委員会の報告書(2007年5月)。太陽系探査ロードマップ検討小委員会は、JAXA内外の研究者が理学・工学を問わず、この報告書のために集まった組織。現状では、これが研究者サイドの最新の意見集約といえる。
 この報告書は宇宙科学研究所・宇宙理学委員会のページにアップされている。

 最新の検討が、井田茂・日本惑星科学会の談話にある、日本惑星科学会で今年4月に始まったばかりの検討。


 会長談話では、今年4月に始まったとしていたが、この8月になって動きが活発化している。事実上8月から活動を本格開始した模様。

 この検討にあたって、JAXA/ISASの中村正人教授(金星探査機あかつき・プロジェクト・マネージャー)が、自身の見解を公にしている。中村教授は現宇宙理学委員長。

 とりあえず、リンクの紹介のみ。はやぶさ2の問題は、これらの文書をきちんと読み込んで考えて行かなくてはならない。

2010.08.10

日本惑星科学会が、惑星探査の推進に関する会長談話を出した

 表題通り、ここまではやぶさ後継機に関してもっとも関連が深いにも関わらず音無しの構えであった日本惑星科学会が、井田茂会長名義の談話を発表した。

 とにかく読んでもらいたい。基本線は、「今後も専門家集団として日本の惑星探査の将来計画の検討を進めていきたいと思います。」と、積極的関与を宣言するもので、特定計画の推進を主張するものではない。

それでも以下の部分は要注目だ。

「かぐや」や「はやぶさ」の後継を担う探査計画や、火星や木星を対象天体とした野心的な探査計画も立案されつつありますが、これらの探査をどのようなロードマップの上に位置づけるべきかを広く検討したいと考えています。また、宇宙利用等を見据えた政策目的と純粋な科学目的の相乗りあるいは切り分けをどのように図るのかも、コミュニティが考えるべき重要問題であると認識しています。

 宇宙開発委員会、毒饅頭、一の太刀に書いたように、科学者の間には「予算がもたらすのは予算なくしては実現不可能な研究、予算が奪い去るのは研究の自律性と研究者の自由」という二律背反の意識がある。

 しかし、今回の会長談話には、その意識を超えて、積極的に政治や社会に関わっていく中で惑星探査を考えていこうという意志がこもっている。

 これは良い変化だろう。

 ただし、個人的には今後10年の展望を2年半かけて検討して報告書を作るというのは、いかにものんびりし過ぎだろうとは思う。そんなことをやっていたら、報告書の完成より先に未来が来てしまうのではないかと思うのだけれど。

追記(2010.8.11) :コメント欄、平田成さんの投稿にあるように、この検討は「2017 年から 2027 年までの惑星探査将来計画」を対象にしたものだった。従って「報告書の完成より先に未来が来てしまう」ということはない。
 とすると、今現在〜2017年の探査において、日本惑星科学会の考えは、「1996年6月の将来計画委員会報告書」にある通り、ということを、会長談話で再確認したということになる。

以下に全文を掲載しておく。

Continue reading "日本惑星科学会が、惑星探査の推進に関する会長談話を出した" »

2010.07.25

トロ、グッジョブ! あるいは、ネコでも分かる小惑星探査

 トロが、そこらへんの地上波ニュースよりもわかりやすいはやぶさの解説がしている。

 いや、トロが解説しているわけではないか。

 こんなところで森本さんを見ることになるとは。
 森本睦子さんは、はやぶさ運用のスーパーバイザーの一員。スーパーバイザーというのは、その週のはやぶさ運用チームを率いるリーダーののことで、はやぶさ運用の7年間に、20数人がスーパーバイザーを務めた。
 そのリーダー達を束ねるのが探査機運用班長の西山和孝准教授である。はやぶさ最後のスーパーバイザーは(ご本人曰く「役得」の部分もあるようだが)、西山准教授が務めたが、実は最後から2番目のスーパーバイザーが森本さんだった。

 ちなみに探査機運用班長という職名は、最近になって作ったもので、最初は「お前が往きのはやぶさ運用の面倒を見るように」という教授からのお達しがあっただけだったそうだ(もちろん職名などなし。ISASではこれが普通だった)。

より以前の記事一覧